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昨今の野菜に含まれる栄養素の量は、驚くべき減少を示している。科学技術庁の発表した「日本食品標準成分表」を見てみると、ほうれん草のビタミンC含有量は、1963年(昭和38年)100mg/100gだったのが、2000年(平成12年)には35mg/100gまで減っている。実に3分の1以下である。北海道の中央農林試験場の分析結果にいたっては1950年に150mg/100gの含有量が、1996年には僅か8mg/100gを記録している。野菜の栽培方法や収穫時期等によっても数値は変わってくるが、栄養素が激減している事は間違いない。ほうれん草の鉄分含有量を見ても、1951年に比べて50年後には6分の1以下になっている。 化学肥料の開発や栽培技術の近代化に伴って、虫も食わない形の揃った綺麗な野菜が太陽光も浴びず短期間で育てられ、一年中収穫が可能になった。近所のスーパーへ行けば綺麗な野菜がいつでも手に入るのである。便利さと引き換えに大切なものを失ったのだ。
●野菜に含まれる栄養価の減少
科学技術庁の 日本食品標準成分表 | 三訂 昭和38年 | 四訂 昭和57年 | 五訂 平成12年 | 三訂 昭和38年 | 四訂 昭和57年 | 五訂 平成12年 |
ほうれん草 | 98r | 55r | 49r | 100r | 65r | 35r |
大 根 | 190r | 30r | 24r | 90r | 15r | 12r |
かぼちゃ | 44r | 17r | 20r | 20r | 15r | 16r |
こまつな | - | - | - | - | 75r | 33r |
●食品に含まれる鉄分(微量ミネラル)の驚くべき減少
野 菜 | 栄養素 | 1951年 昭和26年 | 1982年 昭和57年 | 2000年 平成12年 |
ほうれん草 | 鉄分 | 13.0mg | 3.7mg | 2.0mg |
大 根 | 鉄分 | 1mg | 0.3mg | 0.2mg |
にんじん | 鉄分 | 2.1mg | 0.8mg | 0.2mg |
りんご | 鉄分 | 2.0mg | 0.1mg | 0mg |
※科学技術庁の日本食品標準成分表
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